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契約

category: 了花の物語  


皆様こんばんは。

今回は霧花家の次男さんこと、了花のお話になります。
途中文章による流血表現がありますので、苦手な方はご遠慮下さいm(_ _)m
あと気づいたらめっちゃ長くなってたので読むのだるいと思いますw
描写能力も皆無な文字の羅列ですが…よろしければどうぞ><

りょうか16

 

「はっ……は、……ッ…!」

辺り一面紫に包まれた暗い森の中。
時折聞こえる梟の鳴き声を掻き消すように足音と荒い息遣いが駆け抜けていく。
今にも襲い掛かって来るのではないかと錯覚を覚える程、奇妙に伸びきった枝葉。
正体や発生源もわからない紫の霧が道を塞ぐように濃く立ち込めていた。

「ッは…・・ぐっ…」

いつからこうして走り続けているのだろう。
そんな言葉が頭を過ぎった少年だが、今の状況を思い出してすぐにやめた。
じっとりと背中を流れる温かい液体。
力なく自分にもたれ掛かっているだけの存在を落とさないようにともう1度背負い直して、再び走り出す。
来た道には目印のように赤い痕が残っていた。

走り過ぎて息が苦しいことも、足の裏の皮が剥がれて肉が見えていることも
今は何も気にならなかった。
ただ救えればいい。
それだけを胸に褐色肌の少年、了花は存在するかもわからない魔女の小屋を目指した。


了兄ちゃん。
僕達が住んでる場所のずっとずーっと東にね、
怖い魔女が住んでるんだって。
魔女は普段人の前には姿を見せないけど
本当に望んだ時にその小屋が現れるんだって。
魔女は自分の大事なものを犠牲にする代わりに
その人が望むものをくれるらしいよ!
え? 逢いに行こうだなんて思ってないよ!怖いもん…
でも望むものってなんでもくれるのかな?


なんでもいい。今はなんでもいいんだ。
どんなお伽話だろうが構わない。
了花は前も見えない紫の中、ひたすらに走り続ける。
服は既に腰あたりまで紅に染まっていた。
「っは……!!!」
一瞬の青白い光が紫を包んだかと思えば、
先程までの霧は嘘のように晴れ、目の前にいかにもといった感じの小さな小屋が現れた。
不気味な黒い蔦が壁を這い、蔦の先に人1人がやっと通れるかの細い扉があった。

ここか。
本能的に了花は察知すると、迷う事なく扉に手をかけた。
自分の手にさえも溢れていた背中の存在の血は
薄汚れた木の扉にべったりと印を残した。

「殺気が凄いなお前」
扉を開けるとそこは緑色の光が漂う奇妙な空間だった。
蛍でもなく、人工的な明かりでもない。
とにかく奇妙としかいいようがない不規則なリズムで揺れる光がいくつも宙を漂っている。
その中で凛と響く声。
部屋の奥には長い黒髪の女が分厚い書物を手に佇んでいた。
「俺に力っ…」
「言わなくてもわかる。そいつを助けるんだろう?」
背中の赤い存在をそっと床に下ろす。
当然意識はなく、ただ静かに血だけが流れていた。
女は踵を返し、了花に正面を晒す。赤い目と顔の刺青が印象的な細身の女だった。
カツカツと女が歩み寄れば音を立てる木の床。
床に落ちた者の目の前まで来ると、その姿を見て爪に嵌めた金属を合わせてカチカチと鳴らした。
悠長にも思えるその仕草に了花も時間がないと苛立ちを見せる。
「シッ…」
唇に金属の爪を当て、何か言おうとした了花の動きを察知した女はそれを制止する。
次の瞬間、手の爪を開いて立てるとガッと音を立てて木の床に突き刺し、そのままガリガリと何やら文様を描いていく。
時間がない時間がない…
気持ちばかりが焦るものの、今の了花には何をすることも出来ず
ただ女の刻む文様を眺めることで精一杯だった。
「私は巷では魔女などと呼ばれて迷信扱いされているらしいな。まぁどうでもいいが。
 お前の大事な物と引き換えに力を与えてやることは出来る。
 察するに、今のお前は瀕死のこいつを救いたい。そうだな?」
文様を刻みながら魔女は了花を見上げることもせずに問う。
頷くことしか出来ない了花の行動は予測していたのか、小さく吐息を1つ零した後
文様の最後の文字を刻んでまたガッと爪を勢い良く床に刺してから引き抜いた。
「邪術だ。今のこいつを救うにはお前が邪術を習得するしかない。
 この術式を使えば一瞬でお前を邪術士にすることが出来る。だが代償としてお前の魂を犠牲にする」
「構わない」
迷っている暇などなかった。
とにかく今は急がねば。
「血の契約を。お前の血を術式に捧げろ」
魔女の言葉に了花は傷付き血だらけになった自分の足を思い出す。
そしてダンッと術式を踏み、血の痕を残した。
「契約成立だ」

魔女の言葉と同時、了花の血のついた術式は青白く光りだす。
文様が震え、宙に漂ったかと思えばそこから今度は黒と青の光が溢れ
魔女と了花の間に異形の存在が現れた。
不思議と怖くはなかった。
腕に鎖を嵌めたその存在は、了花の頭に手を翳すとそこから青白い光を放つ。
景色が歪み、次に見えたのは無数の知識。
目まぐるしく変わる文字と映像に吐き気すら覚えつつも
目的の為にと意識を手放さず了花は邪術の全てを手に入れた。

『強奪を自分自身に使え』
目の前の異形の存在、魔霊から低い声がした。
喋っているというよりも意識に直接語りかけてくるような不思議な感覚だった。
「強奪は魂を抜き取る技。お前もわかるだろうが普通は自分自身には使えない。
 だが今は私がいるのでな。特別に使えるようにしてやろう。1度きりだ」
女王13
魔女は何処か楽しそうに笑みを浮かべると、左手に水色光を纏わせ
それを両手で練るような動きを見せた後金色の光に変えて了花に向けて放出した。
ドクンと1度強すぎる自分自身の鼓動を感じると、了花は右手を天に掲げ青白い光の尾を生む。
その先にある杭を空中で自分の目の前に設置すると、迷うことなく自身の胸に突き刺した。
「がッ……」
血は出ないものの、胸に埋め込まれた杭は体の中で蠢き強烈な痛みだけが体を襲った。
意識を持って行かれそうになるも、痛みにより握ってしまった拳を開くと
手首を捻って胸にある杭を引き抜いた。
「っは…ぁ…」
『暴魔霊を彼の者に放て。お前の魂の欠片を使えば傷をつけることなく救えるだろう』
呼吸を整える暇もなく魔霊は淡々と低い声で了花に告げる。
血に濡れていない部分の肌は蒼白と化し、既に息絶えようとしているその存在を目に
了花は迷う事なく双龍の形をした自分の魂をその存在に放った。





「……さん…」
誰かが自分を呼んでいる。
魔霊か?
いやそれにしては声が…
「………兄さん」
「っ!!」
聞き慣れた高めの少年の声に了花は目を見開き、勢いのままに上体を起こす。
目の前では顔に一文字の大きな傷を負った青い髪の少年が心配そうにこちらを窺っていた。
「潤花…!!」
魂を犠牲にしてまで救いたかった存在が今目の前にいる。
抱き締めれば体は暖かく、鼓動もしっかりと伝わってきた。
「に、兄さん…恥ずかしいですよ」
「……潤花?」
だが返ってきた言葉は今までに聞いたことのない空気を放っていた。
「…ん?どうかしました?了兄さん」
「お前…潤花か…?」
「あはは。寝すぎて弟の顔も忘れちゃったんですか?私は了兄さんの弟の潤花ですよ」
知らない。
俺の知っている潤花はこんな言葉で喋らない。
「嘘--」
『嘘ではない。現実だ』
不思議そうな顔をする潤花を前に、頭に声が流れ込んできた。
聞き覚えのある。魔霊の低い声だ。
『お前の魂の欠片を潤花に与える事で潤花は生き延びた。
 だが所詮は違う者の魂。元の存在がそのまま生き続けることは難しい。
 多少なりともその者の存在は変わってしまうが、潤花であることには変わりない』
「そんな…」
「了兄さん…?」
『それと言い忘れていたが。お前の欠けた魂の一部を補う為に我がお前の魂を補填した。
 故に今お前の魂は我とお前の2つの存在で構成されている。どちらが欠けてもお前は命を落とす。
 それが魔女との血の契約だ』
「くっ…」
自分を心配そうに見つめる存在は紛れもなく潤花だ。
自分の魂の欠片が入り、性格が変わってしまった潤花だ。
そして今自分の魂には魔霊が取り憑いている。どちらが欠けても命を落とす。
魔女が与えた力は、確かに自分の大切な物を犠牲にするものだった。


「それが契約か」


邪術士として生まれ変わった了花は
潤花を傷つけた者への復讐を誓って空へ呟いた。

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2016_02_17

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霧花

Author:霧花
ブレイドアンドソウル真紅鯖在住。
SS撮影や各種創作をして楽しんでいます!
腐/BL/なりきり/自キャラ創作
上記が多めなので苦手な人はお戻り下さいm(_ _)m

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