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封印

category: 潤花の物語  


皆様こんばんは。

今回の霧花家物語は、ジン兄こと潤花の過去のお話になります。
いつもよりあえて描写も少なく
場面のイメージは読者の皆様で展開していただく形になります。

若干の文章による流血表現があります。
苦手な方はご遠慮下さい。

ジン兄698 


 


『こら潤花。まーたお前はそんなに汚れて帰ってきて』
『えへへ…ごめんなさい。でもパパは子供は外で遊ぶものだって言うでしょ?』
『確かにそうだが…お前はちとやんちゃすぎるぞ。たまに危なっかしい』
『…気をつける。でも了兄ちゃんもいたからだいじょ……ぁ』
『なにぃ!了花も一緒に泥遊びか!アイツめ』
『ち、違うんだよー!これは…』
『違わない。…ったく。いいから了花も連れて2人で風呂に入って来い』
『はぁーい!』

パパはとても優しくて。大きい背中をいつも見てた。
僕に剣術も教えてくれて。
たまに悪戯して怒られるけど、でも最後にはいつも笑ってくれる。
僕はそんなパパが大好きだ。

怖い夢を見るからって眠れない時は
いつも隣で一緒に寝てくれた。
僕が眠るまで頭を撫でて、大丈夫って言い聞かせてくれた。
あったかい手で頭を撫でてもらえたら
僕はすぐ良い夢の世界へ旅立てたんだ。


そんなパパが突然いなくなってからもう3ヶ月になる。
僕達は兄弟だけで力を合わせて生活することになった。
まだみんな子供だけど、了兄ちゃんはしっかりしてるし
漸兄ちゃんもいざという時はすっごく頼りになるから大丈夫だった。
僕は…あまり力になれてないかもだけど。

今日はお兄ちゃんたちは2人共朝からお出かけ。
晩ご飯のお買い物に行くんだ。
でもいつもよりちょっと遠くに行くみたい。
ここらへんじゃ手に入らないものを買いに行くんだって。
今日は僕の誕生日パーティーだからね!

「えっと…これはこっち…この大きいのは何処に片付けたらいいだろう」
誕生日パーティーの準備で僕は家の片付けを頼まれた。
なるべくお部屋を綺麗にして、たくさんお花を飾るんだ!
お兄ちゃんたち帰ってきたら喜ぶかな?

「潤花」
「…え?」
優しくて低い声が僕の耳に入る。
この声知ってる。
「…パパ……?」
振り返るとそこには姿を消す前と全く同じパパがいた。
パパが帰ってきた!!
「パパ!!何処に行ってたの!?僕たちみんな心配したんだよ!!
 パパがいない間大変だったんだよ…」
「……」
パパは何も答えてくれない。
背中にはいつも僕に稽古をしてくれる時に使う剣が背負われてた。
家の中に剣を持ってくるなんて珍しいなー。置き忘れたのかな…
「パパ…?」
「ごめんな」
「え?」
…どうしてそんなに悲しい顔をしているの?
なんで僕に剣を構えているの?
久しぶりに帰ってきたのにどうしちゃったのかな。
家の中で剣を振り回したらダメだって、いつもパパが言ってるのに。
「許してくれ…」
「え…パパ、何…怖いよ……」
剣を構えたまま、今にも泣きそうな顔をしてパパが僕に向かって歩いてくる。
こんな顔今まで見たことないよ…。
「も、もうやめてよ!パパ怖いよ…」
一歩ずつ後ろに下がってたけど、遂に僕の背中は壁に当たって。
怖くて腰が抜けて、僕は床に縫い付けられたみたいだった。
それでもパパの動きは止まらなくて。
僕は逃げようとするけど、もう後ろにも下がれないし、立ち上がる力も出なかったんだ。

「ごめんな…潤花…愛してるよ」
パパの涙が一粒零れたと思ったら、構えてた剣が僕に向かって振り下ろされた気がした。
目を瞑ってしまったから見えなかったけど、
その後気づいたら僕は倒れてて、パパの後ろ姿だけがぼやっと見えた。
手に光る何かを持ってたような気もする。
僕の目の前は赤黒くてあったかい何かでいっぱいで。
痛いとかそういうのはなくて。ただ顔が熱かった。
僕はパパに斬られたのかな…
なんで…パパ…大好きだったのに……



『……きろ潤花』
『……』
『起きろ。我を待たせるな。死ぬぞ』
聞いたことない低い声がした。
ちょっと了兄ちゃんに似てる。
『誰…?』
『我は魔霊。今は了花の魂と繋がる存在』
『まれー…』
『お前は今魂の欠片を失い、生死を彷徨っている。
 生きる為には魂を補填するしかない』
『たましいを…ほてん?』
『そうだ。我が手伝ってやってもいい。
 お前の魂と、別の魂を繋ぐのだ』
『たましいをつなぐ…そうしないと、僕死んじゃうの?』
『そうだな。不完全な魂は特別な方法でないと生き延びる事が出来ない。
 出来ても仮死状態だがな』
『ねぇ…僕はパパに斬られたの?』
『そうだ』
『なんで…』
『知らん。お前がこの先生きることを望むなら、我が力を貸そう。
 現実に絶望して生きる気がないなら、このまま死ぬといい。
 だが、了花はお前の為に自らを犠牲にした』
『了兄ちゃんが?』
『ああ。その了花を無視して死ぬというなら我は止めん』
『………生きる』
『そうか。
 だが生き延びるとはいえ、今のお前ではなくなる。
 違う魂が繋がる事で今のお前の記憶はなくなり、別人のようになるだろう』
『僕は死ぬみたいなもの…?』
『正確には封じられる。何かきっかけがあれば思い出すかもしれんが、難しいだろう』
『…そっか………
 でも僕生きるよ。了兄ちゃん、僕の為に頑張ってるんだもん』
『そうか。ならば早くしよう。
 お前に新たな生を……』

『…おやすみ……』





目が覚めると、そこは一面の花畑だった。
一瞬ここは天国かなんて錯覚を覚えたが、すぐ隣に了兄さんがいたから現実だと思えた。
太陽の光が眩しくて、とても心地良い空気。
なんだか重くも感じる体を起こすと、隣に寝ている了兄さんを見下ろした。
一緒に昼寝でもしていたんだろうか。
とにかくここでずっと眠っているわけにもいかない。
兄さんを起こさなければ。
「兄さん…起きて下さい。兄さん」

私がそれまでの記憶を全て失くしてしまったと教わったのは、その日の夜の事だった。

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2016_04_24

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霧花

Author:霧花
ブレイドアンドソウル真紅鯖在住。
SS撮影や各種創作をして楽しんでいます!
腐/BL/なりきり/自キャラ創作
上記が多めなので苦手な人はお戻り下さいm(_ _)m

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